ピュア

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店に一緒に来るのかな、と思ったけれど、キャバクラなんて好きそうじゃない感じだな、と思いつつ、何も楽しませないのもどうかと思い、その先輩に話しかける。 「あの、お名前はなんておっしゃるんですか?先輩、って言っても、私の先輩ではないので、わからないと呼べないです」 「ああ、タツって呼んで、なんかキヨシが気に入ってるコがいるって言うから」 「先輩、あっさり言うのやめてよ、うたこちゃん気にしないでね」 「そうなの?キヨシくん、私のこと気に入ってくれてたんだ、嬉しいな」 「先輩、もうその話禁止ね!」 「ハイハイ」 そりゃあ気にいっているだろう。 本来だったならキャバクラになどきっと縁のない人生を送るはずだった若い新聞屋さんが、同伴料と指名料とチャージ料をなんとか捻出して店に通うくらいなのだから。 キヨシくんはピュアだなあ、と思うと、こんなことをやっている自分は一体なんなのだろう、とたまに考えてしまうことがあった。 だから嫌なのだキヨシくんは。 私のことを色々なことで悩ませ、困らせるから。 なんだか、暗い気持ちになってしまう。
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