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「かもしれないって思ったのよ。
事故が起きた後は美知歌を庇った主人はもう息を引き取っていて、美知歌は結局当たり所が悪くて重体に…。
病院に搬送された時にはもう手の施しようがなく助からないと判断されていたわ。
絶望でどうして良いかわからなかった状態の時に、
臓器提供によって少しでも体の1部が生きている事ができたらと思った…。
直ぐに親族と話して、美知歌の心臓だけ臓器提供をすることになったの。
でもその時にフッと思ったわ。」
「え?」
「美知歌には黙っていたけど、果穂ちゃんのお母様から心臓病と余命の事を聞いていたの。
だから…もし美知歌の心臓を果穂ちゃんに提供できたらって…。
でも臓器提供先の指定は公平の為に、認められていなかったから出来なかったけど、臓器提供から数日後に偶々果穂ちゃんの姿を見かけて、元気よく遊んでいた姿を見たら…もしかしたらって思った。
それから少したった頃…あ!そうだわ。ちょっとごめんなさいね。」
と言って、母親は一旦離れ、別の部屋から2枚のある文書を持ってきて、みんなに見せるとその文書に気づいた果穂はハッとした。
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