1人が本棚に入れています
本棚に追加
二人の鼓動
後日、改めて家に伺い、今度は家族代表で司も同行してくれた。
「こんにちわ、お邪魔します。」と挨拶をし、出迎えた乙葉は…
「果穂ちゃん、いらっしゃい。待ってたわよ…。
あ、もしかしてあの時小さかった司君?
まあ、大きくなって。」
「覚えていて下さったんですね。
ご無沙汰しています。」
と司は丁寧にお辞儀をした。
中に入り、案内でリビングに向かうとそこに一人の顔見知りの男性がいた。
「果穂ちゃん…。それに…司君?」
「響輝?」と司は気づいた。そして…
「…やっぱりなんですね…。甲斐先輩…いや、響輝お兄ちゃん。」と果穂も気づいた。
その男性は甲斐 響輝。音大で私がお世話になっていながらもバイオリニストを目指す先輩であり、美知歌の実兄だった。
名字が違っていたが、考えてみれば“響”ではなく、“響輝”という名前も珍しいので、もしかしたら響輝お兄ちゃんだったと気づいてたかもしれない。
「さあ、みんな座って。お茶菓子の準備ができたから。」
「ありがとうございます。」と言って、席に座った。
最初のコメントを投稿しよう!