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「知らなかったんです…。
お父さんと美知歌ちゃんが交通事故で亡くなっていたなんて…。」
口を震わしながらも、それでも果穂は話し続ける。
「私は美知歌ちゃんと最後の連弾をする前に心臓病の関係で余命宣告を事前に知っていた親から聞きました。
親と相談して、ピアノ教室を辞めて、引っ越すと嘘ついて治療を専念する事になたんですが、そんな時に急遽大手術をすることになったんです。
心臓ドナーの順番がもうすぐだった時に、血液型と身長がピッタリの臓器提供の適合者が見つかったって…。
運よく成功して元気になって、美知歌ちゃん達に会いに行こうと思ってたら、引っ越してしまってた。
まさか…亡くなっていたなんて…知らなかったんです…。
ごめんなさい…本当にごめんなさい!」
「果穂…。」
果穂は我慢ができずに泣き崩れた姿に、司が果穂の肩に手を載せて励まし、乙葉が果穂に近づいた。
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