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そしてそして「全く困ったものですな。それで大分時間が遅れてしまった」
と老人がぼやいていた。
「楽しみだね楽しみだねシャンティ♪」
「テレビで見ても華やかだものね♪こんな国よりずっと素敵なところだろうね♪」
と黄色い声をあげる姉妹。
そしてそして終点へと近づく。
スピードが緩くなっていき終点の駅が見えた。
そこからバスに乗りシャンティ行きのバスに向かうのだ。
人が多い為バスは何台も用意されていた。
「用意周到だなぁ…」
「事業の大イベントだからな。船なんてやっと来たくらいだし」
ケンノエが独言ちると横で壮年の男がこう言った。
シルクハットにコートと大分めかし込んでいる。
「はじめまして、やっと来たと言う事はそこでもテロリストに?」
「そうだよそうだよ。その間にチイチイ父達ら反乱部隊が暴れていたんだよ。港とか駅とか爆破しようとさせたりね」
「なんて奴らだ…」
ケンノエは怒りに震えた。
「大丈夫さチイチイ父達はとっくに逮捕されたさあ乗りたまえ」
ケンノエらはバスに乗る。
「このアズキも見納めか…」
ケンノエはアズキの風景をじっと目に焼き付けた。
建ち並ぶ大きなビル群そしてそしてお洒落している若い女性達スーツを着て死んだ魚の目をしているサラリーマン達。
みんなお元気でお元気で。
ケンノエはそう思った。
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