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ケンノエ達は壮年の男に出くわす。
彼の名刺には広瀬友郎と書かれていた。
ケンノエは彼の所属する部署を見て敵意を覚えた。
『楽園事業に一矢報い隊』チイチイ父の立ち上げた部隊で後に立ち上げられた名前だ。
「すると貴方はあのテロ部隊の!」
ケンノエは身構える。
「ここで大きな声を上げてはいけない。場所を変えましょう」
友郎はケンノエ達を人目付かないところに導いた。
「チイチイ父がテロを企てたのも楽園事業を阻止せんが為です。皆は彼の事を悪人と言いますが彼は正義の為に阻止しようとしたのです。結局彼は捕まってしまいましたが…」
友郎は言った。
「義賊なんだねかっこいい!」
ニコニコが言う。
「そう言う事になるかな?そしてそしてチイチイ父のご家族にも会った事があります。二人のお子さんがいてとても可愛らしかったですよ。奥さんも美人ですし」
友郎はこう言った。
「そうですか。僕もここに来るまでは彼らを憎むべき者と思っていました。でもでもシャンティの実状を知った時初めて知りました。彼の言ってた事は間違っていなかったって…」
とケンノエ。
「私は辛うじて警察の追手からは逃げられました。それでそれでチイチイ父から伝言されたのです。出来るだけ多くの来訪者をアズキに送り届けるようにと」
友郎は優しい目で言った。
(こんな目の優しい人が悪人であるはずが無い…彼を見てるとアズキの懐かしい香りがする)
とケンノエは思った。
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