シャンティからの脱出

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「また一人死んだか…まあ良い。民の憎しみと恨みが増幅する度に我の魔力の肥やしとなるのだからな…」 ローブを纏った男が不気味に笑う。 彼は名はマドン。シャンティの総大将につき閣下と呼ばれている。 ローブに隠れた顔からは赤い光が見えた。 「流石ですマドン閣下」 手下がマドンに媚びまくる。 「しかしまだ足りぬ。民を苦しめ、痛めつけろ!使える者は生かさず殺さず、使えない者はただちに始末しろ!」 「「はいっ!」」 手下達はマドンに敬礼し移動する。 「フッフッフ、永久にシャンティ帝国はこのマドン様のものだ!」 マドンの笑い声が轟いた。 「マドン様!」 そんな時そんな時、マドンの属城のリコッタ城を治めるものがやって来た。 「どうした?」 「アズキのハゼオカ家から赤ん坊が送られてきました」 オギャーオギャーと赤ん坊は泣いている。 その赤ん坊はセツカがケンノエへ贈ったノーナだった。 「ふんくだらん。煮るなり焼くなりしろ!」 マドンが言った。 マドンは暫く暇を潰していたがノーナはある事に使えるかもしれないと思い立った。 「待て」 マドンは手下を呼び止める。 「ノーナと言う赤子。スパイに育てるのはどうだ?」 「スパイですか。しかししかしスパイはカースとマルツが担っている筈ですが」 手下はこう言う。
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