第4章

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一向に対処の気配を見せない大将に、通報を進言しようと顔を上げた時だった。 「……成世、お願いできる?」 「えっ?!」 手元の串から目を離さずに、大将がつぶやいたのだ。一瞬何のことかと、フリーズする。 「話の内容から察するに、警察案件じゃない感じだし。お前なら大丈夫だと思う」 「えぇっ?」 大将は何を言っているのだろう。さっきまで渦巻いていた、大和に関するモヤモヤを振り払い、必死に脳内の情報をかき集める。まさか……? 「大将、それって……」 「こんな形であれだけど、ミッション」 「……マジかよ」 任務外の時間は完全にスイッチを切っている成世なので、この場に自分が適任だということは頭になかった。ということは、上司?大将が?マジで?混乱する脳内を必死に鎮静させるため、成世は深呼吸した。 「でも、大和が……」 知られてはいけない。極秘任務なのだから。未だ視線を合わせてくれない大将は、ゆっくりと口角を上げた。 「大丈夫。あいつも『そう』だから」 「えっ……」 絶句。そう?……あいつもって? 「そういうこと。あいつ戻ってきたら、俺から言っとくから」 「え、えっ、あっ、ハイッ」 「ゴーね?」 「分かりましたっ」
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