第5章

6/14
前へ
/98ページ
次へ
『今日の服、夏帆に似合ってるね』 『ありがとう。こっちの方が得意分野だからかな』 『活発そうだもんね』 『活発ってw』 苦笑していることを伝えるための文字に、一瞬迷う。こういう時、リアル感が出ないのはバーチャルデートの難しいところだ。 『ゼブラも珍しい見た目』 『俺はこっち得意じゃないから』 『インドア派?』 『ゴリゴリのね』 本当の容姿がどんなでも気にならないのは、逆にバーチャルデート最高、と言える。 『海外よく行くよね』 『仕事でね』 『英語しゃべれるの?』 『日常会話程度よ』 『すご』 淡々と画面を打つ。ゼブラの送ってくる文字に、たまに夏帆の口角が上がる。充分楽しい。 『ゼブラ、ってなんでゼブラなの?』 『白と黒が好きだから』 『シマウマ関係ないの?』 『ない』 『色かー』 『色でしかないよ』
/98ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加