第5章

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***** 『めっちゃ可愛くない?』 『可愛いし小さいな』 『どのくらい?』 『2ヶ月ちょいって』 『そっか』 『もうカリカリ食べる?』 『食べてるよ』 『小粒のやつ』 『子猫用ね』 『そう』 成世とのやり取りで、早速の子猫自慢をしている。譲り受けたのは、茶トラの子猫。トムの相方だから……と迷った末、雌なので『シェリー』と名付けた。初対面の彼らは、しばらく警戒し合っていたが、1週間もするとくっ付いて寝るようになった。これで自分が留守の時も寂しくないわ、とホッとした夏帆だった。 『動いてるの見たい』 『通話にしよう』 画面通話に切り替わると、興味を持った2匹が寄ってきて、成世は感激の声を上げた。さすがの動物好きだ。 「いいなぁ!俺も飼いたい」 「飼っちゃえば?」 「忙しすぎてかわいそうって思っちゃって」 「それはあるね」 「でしょ?もうどうしようもない事情があって飼わなくちゃならなかったら飼うけど」 「そこはご縁だね」 「夏帆もそうでしょ?」 「そうよ。トムとの出会いは運命だったもん」
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