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「インステ、やんないの?」
顔だけ振り返ると、大将がハツの串を持って立っていた。想定外の高身長だ。自分だって177はあるけれど、もう少しデカいな。今まで気づかなかったってことは、カウンターの内側は一段低くなっているのだろうか。テーブルに置かれた串の皿に視線を移しながら、大和は考えた。
「大将やってるの?」
「一応商売柄、ね。これうちのアカウントだから、よかったらフォローしてよ」
目の前にQRコードが印刷された札が差し出される。大将にまで勧められてしまった。それなら入れるだけ入れてみるかな。興味がないだけで、頑なに拒んだりするほどの理由は無い。大和の柔軟性のある性格は、その人好きのする表情にも表れている。
「分かった。今アプリ入れてフォローするよ」
「あ、俺もフォローさせてもらっていいすか?」
元同僚も話に乗り、その場で『三原色』のフォロワーが2人増えた。アップされた写真をスクロールしながら、これは食ったけど美味かっただとか、次これ頼もうだとか盛り上がるうちに、楽しい夜は更けていった。
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