第6章

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「俺帰るけど、お前は飲み足りないだろうし、あっちに交じれば?夏帆ちゃん、ミカちゃんとは友人だって言ってたろ?」 「言ってたけど……」 せめて邪魔だとは思われたくないな。いつになく消極的になる大和のそばに、会計のトレイを持った大将が戻ってきた。 「そうそう、交じればいいじゃん。あっちもそのつもりみたいだよ?」 「えっ」 驚いて振り返ると、手招きする夏帆が目に入った。 「聞こえてたの、ごめんね。良かったら一緒に飲みましょ」 「……いいの?」 「いいよね?成世!」 「あ、もちろん!こっち来て大和」 成世はガタガタと自分のそばの椅子を引いた。 「じゃ、皆さん良い夜をー」 引き戸を鳴らして林が出て行った。覚悟を決めた大和は、飲み物の半分残ったグラスを手に、成世が引いてくれた椅子に腰をおろした。
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