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Mr.✕が仮面を取って誰かを手招きして舞台に呼んだ。
愛美だった。
二人は寄り添って並び、見つめ合い軽くキスを交わす。Mr.✕が愛美の腰に手をまわして言った。
「私はこの店のオーナーです。今日私たちは婚約いたしました。今宵は私と彼女の未来のための忘れられない記念の夜です。この特別な夜に皆様とご一緒に幸せな時を分かち合うことができ感謝に堪えません」
今度は熱烈なキスを交わした。
その瞬間沸き起こった拍手は、この夜一番派手なものだった。
「えっ...うそだろ」
僕は何が何だかわからない。
BGMが始まった。ピアノのイントロの後にポールのしっとりした歌声が聴こえてくる。
「The Fool on The Hill」だった。
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