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こんな初級ダンジョン楽勝よと答えて所々の宝箱を開けて、出てきた魔物をイグニスが倒す。無駄のないルート。これならRTAも狙えるかも?
そんなことを考えているうちに、ダンジョンボス部屋に到着する。
「さ、イグニス。おまえの土俵だ。大丈夫、いつも通りサポートしてやるから」
「うん、でも……ちょっと、怖いな」
困ったように微笑むイグニス。それを見て口元に弧を描いた。
「迷ったら、私の声を聞け。絶対に導いてやる」
「うん、ありがとう。ゲーマー」
イグニスは覚悟を決めて武器を構え、扉を開けた。
***
ボスモンスターを倒すと、いつものファンファーレが鳴り響く。
「え……?」
イグニスの呆然とした声。そして落ちてくる宝箱。その中身は笛。
「うぇーい、召喚の笛ゲットー」
喜び踊り狂う。これで移動が楽になる。イグニスは笛を持ち困った顔をした。
「これ、どうやって音出すの?」
「は?おまえ吹いたことないの?」
イグニスは頷く。まじかーと思いつつも、だったら自分でふきゃいいやとイグニスから笛を受け取る。
「まあ、そこで聞いて酔いしれな。この奏でる旋律に!」
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