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「ちょいちょーい。いきなりガンガン責めてごめんだけど、そちらもなんか喋るとかない?コミュニケーションよ。このゲームアクションのはずだけどな」
自分でつっこんで笑いそうになる。そこでようやく、イグニスが口を開いた。
「あの……ゲーム、って?」
お、普通に会話はできるのか。というか気になったのねそこに。
「え、今更?おまえの世界に転生してきましたよー的なこと。実は私は日本の人気ゲーム『黄昏の時を越えて』にハマった女。おまえを使っておまえと共に何度も世界救ったわ」
「……っ」
イグニスが目を見開き、口元に手を当てる。何か言いたげで言えないそんな表情だ。
「あ、もしかして……疑ってる?事実よ、事実。なんならおまえの家族構成なり勇者として役目を果たさないとならないこととかお話しよっか?」
「……っ」
イグニスは眉根を寄せた。そのまま畳み掛けるようにイグニスの家族のことやこの世界のこと、勇者として役目を与えられたイグニス自身のことを話すと、躊躇いつつも信じてくれたようだ。
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