第一夜 エンドロールは突然に

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第一夜 エンドロールは突然に

 私は、リーシュ・アルデガルト。 いつでも普通がモットーだが、職業的に普通といえない場合がある。  ちょっと背伸びしたら痛い目に遭うということだってあるから。  「リーシュおねぇちゃん、今日はお歌のお仕事?」  目を輝かせて尋ねてくるのは、六歳の女の子、ソファだ。ソファは、教会出身の可愛らしい少女だった。    「そうだよ、今日も頑張るね。」  私は、国で一番の規模で有名のショーサロンであるパリスで働いている。働くといっても、歌手としてステージに立つのだが・・・。  一部の客からは、傾城の美貌を持つ歌姫と謳われているらしいが、詳細はよく知らない。   両親が他界しているため、王族で遠縁の親族であるアルデガルト公爵夫妻に育てられた私は、意外にも比較的何不自由なく暮らしていた。    
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