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「それは本当にだめという意味のだめですか？」
「い、いじわる言わないで……」
いちいち確認を取るまでもない。
ダメはダメ以外の何があると言うのか。
だが彼は“いじわるを言わずに”“事を進めて欲しい”と解釈したらしい。
「焦らさないで欲しい、そう解釈しても？」
「ちがう、そうじゃなくて……あ、や……んんっ……」
「あまり嫌ではないようですね」
オイルを追加した彼の手がにゅるりとテティアの尻の肉を捉えた。
ドロワーズの下に手を滑り込ませ、丸みのある部分を片手で揉むように掴まれてしまう。
恥ずかしくてたまらないのに、触れて来る手が得たいの知れないゾクゾクとした感覚を背中から脳天に響かせて来る。
甘い声がどうしても出てしまい、それがまたどうしようもなく恥ずかしい。
「声、もっと聞かせて下さい。あなたは恥ずかしいのかもしれませんが、私は聞きたいです。テティアの甘い声が」
そう言って尻の柔らかな肉をしばし堪能すると、また背中を辿り上に登って来る。
そして腕を撫でていったあと、急にうなじに柔らかなものが触れた。
「あっ……」
「可愛いですね」
「あ、や、そのまま喋らないで……」
うなじにキスをした後、唇で首の周りをなぞりながらそう言うと、僅かな吐息すら彼女への刺激になってしまうらしい。
声に釣られるままに、痕が残らないギリギリの強さで肌を何か所か吸うと、またテティアの口から甘い声が漏れた。
もうとっくに乾燥肌対策などではなく、過度な触れ合いに変化している。
テティアは拒まなければと思う一方で、与えられる刺激が優しくて気持ち良くて、ダリウスの手に神経を集中させてしまった。
首に受けるダリウスの吐息も熱い。
その吐息が耳元で聞こえた。
「んっ……」
「テティア。あなたが触れて来るまでという約束は守ります。あなたの許可なく一線は超えません。ですがこのまま、もっとあなたに触れさせてもらえませんか」
ダリウスの台詞はいつもより少し早く、そして掠れていた。
切ない懇願を耳元でされ、テティアは先ほどダリウスに抱きかかえられた時の小さな疼きを腰の奥に感じた。
そんなに求められては、嫌とは言えない。
テティアは片手で胸を押さえたままそっと仰向けになると、彼の名を呼んだ。
「ダリウス、あの、まだ恥ずかしい気持ちが強いの。だから、キスして……ぼんやりするくらい、キスで分からなくして……」
声による返事はなく、すぐに唇が塞がれた。
いつものしっとりと重ねて来るのとは違い、性急なキスはテティアの口内も脳内も掻き回した。
「んっ……ふぁ……は……」
時折荒い息をつき、穏やかで余裕のあるダリウスからは想像しなかった激しさに、急速に意識が奪われていく。
彼がずっとこうすることを堪えていたようで、テティアは胸がぎゅっと締め付けられるような気がした。
いつも自分を抑え、どれだけ優しく触れてくれていたのだろう。
食べられてしまいそうなほどのキスに呼吸が追い付かなくなりそうになると、ようやく嵐のようなキスが止んだ。
「はぁ……はぁ……ダリウス……」
「すみません、優しくしたいのに、止められなくて」
「いいの……ずっと我慢してたの？」
「本当はもっと早くから、もっと淫らにあなたを愛したくて。でも最初からそんなことしては、あなたは受け入れることが出来ないと思ったので」
「ダリウス、いつも優しく触れてくれてありがとう。でも今のキス、嫌じゃなかったよ……」
「テティア……」
また唇が重ねられた。すぐ舌が割り入り、テティアの薄い舌を探り、歯列をなぞり……全てを余すことなく舌で探られていく。
「んぁ……はぁん……あ……あん……」
口内を舌で蹂躙される中、ダリウスの手が動きテティアの胸を押さえる手を外された。
抵抗なくすんなり手がどかされると、ダリウスの手が腹の方からせり上がるように胸に向かってくる。
オイルが足りなくて、手の滑りが鈍くなっていた。
「この方が気持ち良いと思いませんか？」
彼はそう言うと瓶をテティアの胸の間で傾けた。
肌より温度の低いオイルが、少しだけひんやりと胸の間を流れていく。
「ああん……」
「可愛い……」
零れそうなオイルを手ですくうと、大きく広げた手のひらで胸全体に伸ばしていく。
乳首を通り過ぎる度に手のひらで押し込まれ、胸からぴりぴりするような不思議な感覚が走り、それが何故か腹の奥に伝わった。
「やぁ……あっ……んっ……」
ぬめる刺激が、以前ダリウスに教えられた“感じる”という感覚を深めていく。
出てしまう声も、はぁはぁという荒い息遣いも止められない。
「ちゃんとこちらにも塗っておかないとですね」
そう言って首や鎖骨のあたりを撫でまわすと、再び丸い膨らみに戻って来た。
テティアの薄いピンクの頂は自己主張をしたまま、ツンと上を向いている。
もっと刺激が欲しいとでも言っているようで、ダリウスは指先で摘まむとくにくにと弄り回した。
「やぁっ、それ、ああっ、だめえ、感じるっ」
「感じるがどんなことなのか覚えてくれたようですね」
「か、感じるの、気持ちいいの。あっ、あっ、あ、でもだめ、たくさんしないでっ」
「感じすぎてしまいますか？」
「わ、分からない、たくさんだと、なんか頭おかしくなりそうで、こ、こわい」
「ではもう少しマイルドに……このくらいだとどうです？」
乳首だけを攻めると刺激が強いならと、乳輪に円を描くように撫でる。テティアの表情がうっとりしたものになり、刺激がちょうど良いことが分かった。
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