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「いやじゃない、けど、勇気が……もっと、キスしてくれますか」
「……おいでテティア」
テティアの声もたどたどしいが、ダリウスの声も喉にひっかかったように掠れていた。
後頭部を支えられ、目を閉じた瞬間口づけが与えられる。
腰に添えた手が少しだけ下に這い降り、まろやかなラインに指が沈んだ。
「んふ……はっ……ぁ……ダリウス……」
乱れる呼吸と口内の愛撫の合間に、気持ちが昂って来たテティアが名前を呼ぶ。
ただ名前を呼んだだけなのに、どうしようもなく愛しい気持ちが溢れて来る。
もっと、もっとキスを下さい。
このまま気持ちが洪水みたいに溢れたら、きっと私……
零れた唾液も気にせないほど、柔らかな唇とぬめる舌の感触に酔いしれる。
信じられないほど胸の鼓動が速くて息も出来なくなってくる。
ダリウスを跨ぐように座っている彼女の中心は、彼の抑えようともしない昂りが掠める度に、もっと触れたくなるようなじれったさが募った。
もっと触れて欲しい。
お腹の奥の切ないところを、ダリウスで慰めて欲しい。
男女の秘め事の手順なんて結局分からなかったけど、ダリウスの猛りを鎮め、同時に自分の恥ずかしいところを気持ちよくするためにどうすべきかだけは分かっている。
私が踏み出さなければ、ダリウスさんは絶対約束は守る。
官能的な触れ方をしたって、一線は超えないで待っていてくれている。
「……っは」
唇を離すと、口の端から零れたものをダリウスが親指で拭ってくれた。
彼の呼吸も、自分の呼吸も切ない。
テティアは肩に乗せたままだった右手を、そっと下へと動かした。
男性特有の筋肉質な胸の真ん中を指先で辿り、引き締まった腹の下へ滑り落ちていく。
腰にひっかかる下履きはそこから先が張り詰めていて、中に熱い彼がいるはずだ。
ダリウスの顔を見る。
熱い息を殺して見守る目が、射るように真っすぐ自分を見ていた。
「テティア……」
呻くように名を呼ばれ、彼女はするっと手を滑らせた。
そこには想像したよりずっと熱くて、固くて、大きくなった彼の欲望があった。
触れた瞬間、それがぴくりと動くのが分かった。
「いいのですね？」
「わ、わたし、ここからどうしたらいいか……手順とか作法とか、なんにも分からないの……だから、ダリウスさんが、す、好きなように……して、もらえますか」
テティアがようやく絞り出すように恥ずかしいお願いを口にすると、ダリウスは大きく溜息を吐いた。
それを見てテティアが幻滅されたのかと慌てる。
「あの、それともしてもらうだけじゃだめとか……」
「違います。こんな獣状態の男に、“好きなように”は危険すぎます。本当に好きにしてテティアを壊してしまったらどうするのですか」
「こわ、こわれちゃうなんてあるんですか？」
「壊れるくらい、試してみますか？」
そう言いながらシャツを落とし、テティアを抱える。
移動の先は、もちろん広い寝台。
壊すという物騒な言葉の割に優しく横たえると、ダリウスもその上に伸し掛かった。
「えっと……お、おてやわらかに……」
「当たり前です」
言うなり、胸のリボンを解いた。
さっきからずっと邪魔だと思っていたこの１枚の薄布を取り払い、早く滑らかなテティアの肌を全身で味わいたい。
下からまくり上げると、テティアも体を浮かせ一気に取り去った。
今日は下には何も身につけないでいたのか、それだけで綺麗な全裸がダリウスの目の前に現れる。
彼は感嘆の息を漏らした。
「綺麗です……豊かな乳房も、その薄く色付いたこの頂きも。肌だってこんなに滑らかで……いい香りがします。足も、足先も、全部余すことなく美しい。あとひとつ、暴いてない場所を見せていただいても？」
「み、みるのは……恥ずかしい」
「では恥ずかしい気持ちもどうでもよくなるくらい、まずはこちらを堪能させてください」
「あっ……」
かぷ、っと乳房に食らいつかれる。
先端を口に含み、吸い上げられた。敏感な体はすぐに乳首をたたせ、それを舌で転がされてしまう。
ぬるぬるとした感触が撫でまわしたかと思うと、次の瞬間にはちくっと甘噛みされた。
「んぁっ」
「可愛い……」
乳首の先がじんじんと痺れて来る。
固くなったところを刺激される度に、背筋をぞくぞくとしたものが走り、それが腹の奥へと伝わった。
そうする度にじわりと自分の足の間が濡れていくのが分かる。
ダリウスが教えてくれた、“感じる”と言う感覚がこれだ。
恥ずかしいのに、感じてしまうと気持ちいい。
気持ちよくなると、どんどん蜜が溢れて来る。
蜜が溢れると、ダリウスに触って欲しくなる。
胸への愛撫は止むことなく続いている。
形が変わるほど揉まれ、乳首を吸い上げられ、時に甘噛みし、舌先で弄ばれる。
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