ある吟遊詩人の話

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そんなある日、吟遊詩人は魔王討伐を目指す勇者の話を聞いた。 彼は是非ともこれを歌にしたいと同行を願う。 しかし勇者は首を縦には振らなかった。 それもそのはずである。 吟遊詩人は戦闘はからきし出来なかったからだ。 足手まといを連れて行けるほどの余裕はないとはっきり断られた。 しかし吟遊詩人はあきらめない。 彼はその日からこっそり勇者の後を追いかけた。 もちろん勇者たちは気付いていたが、そのうちついてこられなくなり諦めるだろうと放置していた。 しかし吟遊詩人はあきらめない。 吟遊詩人はひたすら身体を鍛え、魔物との戦闘も出来るようになった。 そしていつしか、勇者パーティーの一員として認められる程になったのだった。
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