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序章 ~青き左手の神~
絵本・エリュシア神話
遠い遠い昔 青き左手を持つ神がいました
神はその左手で大地をつくりました
神の左手は大地に恵みを与え、人々を豊かにしました
人々は神を敬い、一つの大地で平和に暮らしていました
時が経ち、いつしか人々は神を敬う心を忘れ、
互いに争うようになりました
力と富のある者が大地の支配を欲するようになったのです
その支配者たちが争いを繰り返し、
大地はすっかり荒廃してしまいました
神は嘆き悲しみました
その悲しみは大きな怒りとなり、
神は青き左手で雷を放ち大地を砕いたのです
「ねえ、お母さま
どうして神さまは大地をくだいたの?
せっかくつくった世界なのに
どうして?」
「神は世界を壊そうとしたのではないわ
新たな未来をおつくりになったのよ」
「あらたな、みらい?」
「いつかわかるようになるわ
あなたがもう少し大きくなったら
きっと、ね」
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