博愛

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博愛

「――本日もありがとうございました、クリフさん」 「いえ、カミラさん。お役に立てたのなら嬉しいです」  鮮やかな朱色に染まる、夕さりの空の下。  何処かうっとりした表情(かお)で感謝を告げる女性に対し、柔らかな微笑で答える典麗な男性。そんな彼らがいるのは、小高い丘に佇む荘厳な教会の扉付近――そして、そんな二人を少し遠くから眺める私がいて。
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