8人が本棚に入れています
本棚に追加
「…………エマ……駄目だ……早く、ここから逃げ……ぐっ!」
「クリフ!」
所々に朽ちの見える木造納屋にて、再び大きく声を上げる。隅の方に拘束されたクリフが、乱暴に頭を床に押し付けられていたから。
それでも、どうにか憤怒を抑え努めて冷静に思考を巡らす。……どうする、エマ。下手に近づくと、クリフの身が危険に……だけど、このままじゃ――
……いや、そもそもそれ以前に――
「……ねえ、あなた達の狙いは私なんだよね? だったら、クリフは解放してよ。お望み通り、私なら殺してもらって構わないから」
最初のコメントを投稿しよう!