8人が本棚に入れています
本棚に追加
……ごめんね、クリフ。
「…………これ、は……」
そう、ポツリと声を洩らすクリフ。茫然自失――まさしく、そんな言葉がピタリと当てはまる表情で。
尤も、それは私もほぼ同様で。と言うのも……卒然、私の瞳が光るやいなや、辺り一帯が目も当てられぬ有り様――すっかり瓦礫と化した教会だけが残る、何とも無惨な有り様で。
だけど、更なる衝撃は――隙間もないほど密集していた夥しい数の村民が、今や一人も見当たらないこと。私――そして、クリフを残し一人も見当たらないことで。
……まあ、それもそのはず――クリフ以外の全ての人間を、文字通り跡形もなく焼き尽くしてしまったのだから。
最初のコメントを投稿しよう!