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「……やあ、おかえりエマ」
「……ただいま、クリフ。……ところで、さっきの女の人は……」
「ああ、カミラさんかい? ご両親との口論で、少し後悔をしていたみたいだけど……でも、もう大丈夫だと思うよ」
「……そっか。やっぱり、すごいねクリフは」
「ううん、僕は何もしていないよ。ただ、お話を聞いていただけ……答えを出したのは、他でもない彼女自身だから」
彼女――カミラさんが十分遠くまで去った後、クリフの下へ降りそんなやり取りを交わす。謙遜というより、本心からそう――自分は何もしていないと、そう思っているのだろう。まあ、クリフらしいけど。ともあれ、そんな彼に対し――
「……ううん、何もしてないなんてことないよ。もしかしたら、知らないかもしれないけど――クリフは本当に皆に頼られて、本当に皆から愛されてる。だって……クリフ自身が、遍くみんなに心からの愛を注いでるんだから」
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