8人が本棚に入れています
本棚に追加
異分子
(……おい、あれは……)
(……あんなに可愛い顔してるのに、ほんと人は見かけによらな……いや、そもそも人間じゃないのよね)
ある昼中のこと。
疎らな茅葺屋根を眺めながら、長らく舗装のされてないであろう石畳の道を歩いていく。すると、遠巻きに届く微かな会話。尤も、この程度ならば全く以てマシな方ではあるのだけども。と言うのも――
――カンッ。
それから、およそ数十分後。
卒然、鋭いような鈍いような音が間近に響く。まあ、それも当然。何故なら――
「――ここから出ていけ、この悪魔!」
そんな甲高い声と共に届いたのは、長さ20mmほどの黒い石。それが、私の側頭部へ直撃して。まあ、この程度ならばやはりマシな方なんだけども。
最初のコメントを投稿しよう!