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思わず、大きなため息を吐いてしまった。
無意識の言葉が本心だと思われるのは、ひどく傷つく。
パパのために我慢することだって、ちょっと嘘をつくことだって、本心なのに。
ああわかったよ。
パパがその気なら、今から本心をぶつけてやろう。
寝言じゃなくて、ストレートに。
「ねえ、私、今は転校ばかりの方がつらいんだけど」
パパは、困惑したようにはにかんだ。
「そうか。お前、転校がつらかったのか」
「当たり前だよ。もっと仲良くなりたい友達だってたくさんあったし、イベントにも全く参加できなくて、何回も後悔した。イジメなんて、転校してから受けたことがない」
「……そうか」
パパはどこか呆然としているけど、私の言いたいことは、まだある、
「パパ、早とちりしすぎなんだよ。思い込みしすぎ。それで会社の仕事は大丈夫? 何か大きな問題おこしてない?」
「やめてくれ! その言葉はきつい!」
「だって、今の私の本心だもん」
そう言うと、パパは突然笑い出した。
何が面白いのかはわからないけど、私もついに頬をほころばせてしまう。
「ねえ。パパの本当の気持ち、聞けて嬉しかった。これからはちゃんと私の話も聞いてね」
そう言うと、パパは目頭を押さえた。
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