再度

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 前回彼に会った時から一週間。  思ったより早くまた彼に会うことになった。二回同じ人とは会わない。そう決めていたのに、なぜだろうか。迷うことなく会う約束をしてしまった。  前回とする事は何も変わらない。けれど彼と雑談の時間が増えた。  こうも短期間で、雑談はあまりせず二回同じ人とは会わないという僕の中での決まりは崩されてしまった。  彼とはすごく話しやすくて、居心地がとても良かった。僕がいろんな事を話せば笑顔で頷いてくれる。他の人とは違って、僕の身体ではなく心を見てくれてる気がしたから。 「チハヤくん、チハヤくん」  気付けば僕は彼の名前を頻繁に呼ぶようになり、敬語も外れ、懐いていた。   「なんかそうやって名前呼んでくれるの可愛くていいね、嬉しい」 「偽名なのに嬉しいの?」 「え、俺本名だよ?」 「そうなの??こういうアプリでって皆んな偽名使うものだと思ってた」 「俺は本名だったなぁ。北野千隼(きたのちはや)っていうの。じゃあゆいとくんは偽名なんだ?」 「うん、本名はいと。佐々木唯人。いとって読むけど漢字はゆいとだから……」 「いとかぁ。いとくんってよりは、いとちゃんって感じだね、可愛い」 かわいい……。    言われ慣れた言葉のはずだったのに、何故かとても心に響いた。
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