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10 再会
美空先生は涙を拭いながら美月さんのことを懐かしんで微笑んだ。
「どうやら美月は祖母を植栽に突き飛ばして電動自転車から祖母を守ったらしい。だから祖母は軽傷で済んだけど、目の前で孫を亡くした精神的ダメージが大きすぎてね。立ち直れんまま事故の1年半後くらいに亡くなってしまった。ちなみにAくんもその場で亡くなったわ。こんな重たい話でごめんね。」
美空先生ははぁっと溜息をついて俯いた。
「先生!今から緑地公園に行きましょう!」
「え?唐突やね。どうしたん?」
「とにかく一緒に来てください!」
緑地公園のベンチで私は美月さんが来てくれることを祈りながら三線を弾き始めた。隣に座る美空先生は不思議そうに私を見ている。
すると、祈りが通じたのか美月さんが現れた。
「あやみん、初舞台後も練習とは頑張るね!」
美空先生にも美月さんが見えるかな?私の心配を掻き消すように、美空先生は立ち上がって「美月?!」と驚きの声を上げた。
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