10 再会

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「お姉…ちゃん?あやみん、どういうこと?!」 「美空先生からあなたのことを聞いたの。あなたは与那覇美月(よなはみづき)さん。6年前に事故で亡くなった。」 「え?事故…?そうや!ばあちゃんは大丈夫やった?」  美月さんの生前の記憶が蘇ったようだ。 「お祖母様は…」  私の言葉を遮り、美空先生が美月さんを見詰めて語り掛ける。 「美月、安心して。ばあちゃんは元気。さすがにあれから6年経ってるから足腰もすっかり弱ってしまったけど。三線教室は私が継いだ。彩実ちゃんっていう新しい生徒さんも入って順調や。」 「そっかー良かった!うち、なんでこんな大事なこと忘れてたんやろ。お姉ちゃんにも会えて嬉しいわ!あやみん、ありがとう!あーなんか胸のつっかえが無くなって清々しいわ。今日はめっちゃよく眠れそう!」  美月さんは最高の笑顔を見せてスーっと消えた。 「美月、おやすみ…。」  美空先生は涙を浮かべながら空を見上げた。 「あー。美月に嘘吐いてしもた。まぁたぶん天国でばあちゃんと再会して、私が嘘吐いたと分かっても怒りはせんやろ。」 「そうですね。私が正直に話していたら美月さんを悲しませたでしょうから、これで良かったと思います。」  
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