4 記憶

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「ねぇ、あなたの三線の演奏聞かせてくれない?」 「幽霊は立体映像みたいなもんやから、ものを触ったり持ったりはできひん。」 「そうなんだ…。じゃあ私が三線を弾くからあなたは歌ってくれない?で、それを録音したい!」 「えっ?幽霊の声って録音できる?!」 「やってみないと分かんないよ。昔テレビ番組で『子どもを撮影したビデオに幽霊の叫び声が入ってた』みたいなのもあったし!」 「あやみんはそういうの信じる質なんや…純粋やね。」 「茶化さないで!取り敢えず試すの!」 「分かった、ごめんて。でも曲を知ってる気がするだけやし、さすがに録音する前にうちにも練習させてや。また今度な!」 「約束だよ!」  逃げるようにふっと【彼女】は消えた。もう20時か。電灯は点いているが辺りは薄暗くなっていた。
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