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「お前、もしかしてこの国出身じゃないの?」  諦めて横に寝そべり、腕枕をしてくれているビビの、白い短髪と青いの瞳を見つめながら、ふと気になったことを呟いた。 「はい、北の山脈にある国の出身です。それがどうかしましたか?」 「……そう」  胃がチクリとした。我が国が、何年か前に攻め滅ぼした小さな国だ。男は皆殺され、女子供は奴隷にされたと聞いた。私の気持ちを察したのか、心配そうなターコイズブルーの瞳に見つめられる。憐れむのも励ますのも、彼の望むところではないだろう。だから、 「この国の人は皆、緑色の目をしているでしょう。だからお前のその瞳の色が青空みたいでとても美しいと思うの」 「そうですか。ありがとうございます」  そしてビビは、腕枕をしていない方の手で私の髪をかきあげた。 「私は、姫様のそのエメラルド色の瞳も、とても美しいと思いますよ」 「うふっ」  嬉しくて、彼の腕に抱きついた。 「いぎっ!」 「どうしたの?」 「あの、姫様。大変申し上げにくいのですが、腕が痺れました。場所を代わっていただいても」
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