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白い短髪に青い目をした少年は、ビビと名乗った。彼は、私の髪をとかしながら上機嫌で話しかけてくる。
「いやぁ、こんなに美しくてお優しい姫様のお世話ができて本当に光栄です! 御髪も海苔の佃煮みたいで本当に美しい!」
「ねぇ、ビビ。それ褒めてるの?」
「もちろんです! ……っと、はい、終わりましたよ。次はお召し物を変えますね」
ビビは手慣れた手つきで、ナイトドレスを脱がせていく。
「姫様、肌がお綺麗ですね。ほとんど外に出ないからでしょうか? それに胸も」
「おだまり!」
彼の手首をつかむと、手枷につけられた鎖が、重い金属音を立てる。意地悪な笑みを浮かべた彼がなんだか憎たらしくて
「お前。よくもそう、ぺらぺらと喋るわね。その調子じゃあ、今まで主人の不興を買って殺されていないのが不思議だわ」
「ふふ」
「何がおかしいの?」
ビビは私の手をほどくと、耳元に口を近づける。
「主人選びに、ちょっとしたコツがあるんですよ」
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