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 いいですか、と彼は指を上に向けて差す。 「まず、私の性格を受け入れてくれそうなご主人かどうかを調べます」 「どうやって?」 「先ほどやったとおりですよ」  首をかしげる私に、彼は差す指を二本にして話をつづける。 「そして、もうひとつ目は私に肉欲を向けてくるかどうかですが、これはすぐに分かりますね」 「ふーん」  彼は手を伸ばして、真正面から、ぎゅっと私を抱擁した。そして耳元でこう囁く。 「私を抱きたいって思っている、ってことですよ」 「確かにこうやってぎゅっとしたら、冬だったらあったかくて気持ちいいかもね」 「……そうですか」  彼は少し困惑したような顔をして、私から離れた。 「着付けが終わりましたよ」
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