それでも道は続いてゆく

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 箱崎の言う通り、第一休憩所までの道のりはなだらかで、ベースを担いでいても特に問題はなかった。 「そう言えば、ジャスノイのライブ行った?」 「いや……。さすがにアレはチケ代高過ぎだろ」 「バイト頑張ってチケット取ったよー。バンドのメンバーと行ったけど、めっちゃ良かった」 「へえ……」  気軽に洋楽のライブに行くこと自体、大人な感じがするし、それがカレシかもしれない歳上のヤツと、ってなるとなんだか腹の底の方がモヤモヤする。  でも多分、それは俺がガキだからなんだろう……。  ナチュラルブラックの髪を風になびかせながら、箱崎は含んだような笑みを浮かべる。 「因みに、メンバーは全員女子だから」 「そ、そうなんだ」  俺は「別に関係ないけど」とか呟きながら頭上に目を向ける。  気がつくと、さっきまで浮かんでいた真っ白い雲はどこかへいってしまっていて、木々の間からは、ただひたすらに明るい空が俺のことを見下ろしていた。
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