二億年早い

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二億年早い

「なんかね、元カレが、サテンシャツ好きでさ」 「サテンシャツって、あのテカテカサラサラの?」 「そう。あれ」 「あれ、なんかむかしのAVの、調教モノとか、女教師とか、そういうのによく出てくるイメージあるわ」 「もう、まさにそれよ。まあ、そっちの知識とかも、どこで仕入れたんだか、独りよがりでさ、なんかうんざりしちゃって」 「いるよねそういうヤツ。結構多いよ」 「セックスも自分勝手だし、ま、下手くそっていうか。図々しいんだよね、性格が」 「分かれたの?」 「いや、それがね。彼氏としては終わったんだけど、今、客として来てるわけ」 「嘘でしょ?」 「ホント。あの、『僕ちゃん』っているじゃん?あれ」 「うわっスゴ!イケメンで体格も良くて金払いがいい、最高のM男じゃないの」 「そうなの。開眼しちゃったみたい。でね、よくよく掘ってみたら、どうやら布地フェチだったみたいでさ」 「だからか、なるほどね」 「そうなの。もうさ、私、サテンの布で顔に被せる袋作ってあげたよ。あと全身入るやつも」 「ミチカ様優しい〜」 「そしたらさ、この前、なんて言ったと思う?」 「え?ナニ」 「僕、そろそろモチモチのニットに包まれたいですぅ、だと」 「ナマイキ・・・」 「ホントに」 「でも、ミチカ様さすが、だから今日、モチモチのデコルテオープンなニットなんですね」 「そう。優しいでしょ?アイツ、自分が包まれたいって言ったから、代わりに私が包まれてあげたの。で、このあとすぐ来るんだけど」 「ニットの袋作ったの?」 「バカ、するわけ無いじゃない。アイツ脱がして、アソコに自分の履いてきた靴下でも被せといてやるわ。サテンもニット無し。私に要求するなんて二億年早いっつーの」 「ミチカ様、それはそれで、ご褒美なんじゃない?」 「ふはははははははは!どんな顔して悶えるのかしら、楽しみだわ!さあママ!早く店を開けてください!」 「タカエちゃん、ミチカちゃん、開店準備手伝いなさい!」 ビシィ! はい!ゴメンナサイ、ママ! お許しください!レイ女王様! SMバー 『doggy doggy doggy』 今日も元気に開店です! End
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