塩と小麦粉

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 俺の眼前にいる警官が言い放った。 「証拠は揃ってる。おまえがやったんだろ」  俺は不適な笑みを浮かべて答えた。 「俺は何もやってない」  警官が塩が入った袋を持ってきた。 「おまえが麻薬に見せかけて塩を盗んだのはわかっている。こんな馬鹿なことをするのはおまえしかいない」 「刑事さん。トンカツに添えられるキャベツを馬鹿にしてはいけない。そしてキャベツをおいしく食べられるには塩が必要不可欠」 「おまえは何の話をしているんだ。キャベツのことはどうでもいい」  警官が小麦粉が入った袋を持ってきた。 「これもおまえが麻薬に見せかけて本物の小麦粉をスーパーで盗んだんだろ」 「刑事さんは唐揚げの良さがわかってない。唐揚げは麻薬よりも強力な魅力がある」 「いや、唐揚げはどうでもいい」  警官が腕を組んで思案した。 「今日がエイプリルフールだから嘘をついているのか?」 「バレましたね。イベント事は楽しまないと」  俺は塩と小麦粉を窃盗した事件で捕まった。
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