★性癖

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★性癖

「フッザけんなよっ!!」  佐々の部屋に連れ込まれた瞬間のキス。  それでぽやっとはしてしまった。  気持ちよくて、やっぱりこいつのキスは堪らないから。  でも、それで上半身脱がされて……気付いたら縄が俺の腕を後ろ手で拘束していて怒鳴る。 「外せっ!!」  喚くと佐々は目を細めて顔を近づけてきた。  それを見てジリジリと下がりながらとりあえず睨んでやる。 「俺さぁ、結構ショックだったんだけど?」 「は?」 「お前が『わかったから黙れ』って言ったんだぞ?だから、黙ってたんだぞ?」  ドンと背中と手が壁に当たって逃げ場がなくなった。 「何が?」  内心バクバクのまま聞くと、更に佐々の目が細くなる。  鋭いその顔は絶対によくない!! 「俺の告白、了承したんじゃないのか?なのに他の男とデートか!?」  ドンッと壁に手を付かれてビクッと跳ねる。  まさか俺が壁ドンをされる側になるとは……。 「了承はしてねぇだろ!」 「でも、『わかった』って言った」  とりあえず何とかしようと言い返すと、佐々は口を尖らせた。 「それはそういうことじゃ……」 「何?俺のこと嫌なのか?」  拗ねたような佐々にどう言おうか迷っていると、佐々が顔を近づけてきて心臓がうるさい。 「嫌ってか……落ち着かない!!」 「は?」  もうバカらしくなってそのままぶちまけると、佐々はきょとんとする。 「〜〜〜っ、お前と居るとムダにドキドキすんだよっ!!」  喚いているのに、佐々は嬉しそうに顔を綻ばせた。
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