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「何、笑ってやがる」
睨んでやると佐々は手を伸ばしてきて、俺の両頬に触れる。
「それってお前も意識してるからだろ?」
「は?」
柔らかいその笑顔にまた違う意味でドキドキしてしまった。
「今まで一緒に居てドキドキなんてしてなかっただろ?なのに最近は……ってことだろ?」
あまりにも優しい声に思わず頷くと、佐々はふわりと笑う。
「お前も俺のこと好きじゃん」
「え……」
「違うの?」
「ち……」
否定しようとしつつわからなくなった。
元々いつも一緒につるんでいたくらい気が合うし、身体の関係を持って恥ずかしさと下をやらされた悔しさはあったが……嫌いにはなっていない。
むしろ、何度も思い出すくらい意識はしていて、ハマっているのはさっき自覚したばかりだ。
それどころか……好き?
考えてボンッと顔が熱くなる。
「やっ!待てっ!!」
「その顔で待てもあるか」
添えられていただけの手に顎を捉えられて唇が重なった。
もう何度もしたキス。
それでも“好き”そんな気がするだけで更に心地よく感じてしまう。
「司馬、付き合って」
額をくっつけた近距離で言われて恥ずかしい。
黙っていてもじっと見つめられていて、戸惑いつつも頷くとギュッと力いっぱい抱き締められた。
苦しいくらいのハグ。
「っ、だから、コレ解け!!」
後ろ手で縛られている手で壁を叩くと佐々はチュッとキスをして目を細める。
「それはお仕置き」
低いその声と鋭い目は危険な香りしかしなかった。
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