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「行くぞ!」
言われて肩を組む。
何となく触れ合ったその体温にホッとした。
言葉もなくホテルへと足を向けながら、力強いその腕は今、傷心の俺には妙な安心感がある。
それは佐々もだろうか?
そうやって俺と佐々はラブホに入った。
それが間違いだった。
いや、大量のレポートとテスト明けで一人でもシてなかったけど……
オオタさんの笑顔も声も大好きだったし、確かに恋していたんだ。
飲んでちょっと告り方は間違えたけど。
振られたのを思い出すと泣きそうな気がする。
俺も佐々もあぁいうちょっと小柄のかわいい感じの男が好きで、決してお互いは好みではない。
ベッドに倒れ込んでキスはした。でも、
「やっぱねぇな!」
って笑って終わりのはずだったのに……失恋のショックをじわじわと実感している俺は佐々の首に腕を伸ばしてもっとキスを強請ってしまう。
口を開くと舌を絡めてお互いの唾液を混ぜ合わせる。
初めて佐々としたキスは心地よくて、気持ち良さに身を委ねてしまった。
佐々のキスの上手さに軽く嫉妬しつつ今は癒やされてしまう。
ハマりそうでヤバい。
「んっ……はぁ」
一度離れて吐息を吐く。
もう一度……近づこうとして……
「司馬ってさぁ……妙に泣かせたくなるな」
「はぁっ!?」
急にそんなことを言われて、真剣な顔で組み敷かれたら笑っていられなくなった。
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