487人が本棚に入れています
本棚に追加
「いーって!気持ちよくしてやるよ?」
ニッと笑われても了承なんてするわけがない。
「なってたまるかっ!!」
横っ面に殴りかかってそれを佐々が避けようとする瞬間に脚を引いて逃げ出す。
荷物も無視して走ってドアまで行ったが、ガッと音がするだけでドアはしっかり閉まったままビクともしなかった。
「ここは先に金払わねぇと開かねぇよ?」
「クソッ!!」
佐々のよく知るホテルに入ったのは間違いだったかもしれない。
「ったく、思いっきり殴ろうとしやがって」
呆れたように笑いながら近づいて来られて逃げ場を探す。
後手後手なのを何とかしたいが、今は目の前のピンチを凌ぐのが先だ。
「っと……だから、言ってんだろ?何?むしろ、煽ってんのか?」
追い込まれる前に逃げようとするのを腕を取られて壁に押し付けられる。
「はぁ!?っつか、痛ぇわ!離せっ!!」
喚いても佐々は腕の力も緩めず、むしろ膝で俺の脚を割り開こうとしながら顔を近づけてきた。
こんな簡単に捕らえられたなんて屈辱。しかも、
「……ちょっと勃ってんじゃん」
攻防虚しくグリッと膝頭で押されて睨みつけた。
「溜まってる状態でホテルだから反応してるだけだっつの!退け!!」
「怒んなよ。溜まってんなら抜いてやるって」
唾が飛ぼうが関係なく叫んでいるのに、佐々はのんびりと笑う。
「はぁー?」
全く聞いていないようなその反応にイラッとしつつ、バカらしくも思えてきた。
最初のコメントを投稿しよう!