★絶対に下はやらんっ!!

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「お互い淋しいじゃん?」  近くで見るその顔が本当にどこか寂しそうで、 「イケメンの無駄遣い」  ちょっとドキッとしたのを誤魔化すようにべぇっと舌を出す。  だが、そんな俺の舌をさっと掬われてビクンと跳ね上がった。  素早く舌を絡められて、ヌルリと口内へと押し入ってくる佐々。  さっきのキスを思い出してつい流されてしまう。  やっぱりこいつのキス……ヤベぇ。  混ざった唾液を飲み込み、熱が集まって前が張り詰めるのを感じた。 「キツいか?」  唾液の糸を繋げたまま笑う佐々の手でベルトが外されてゴトンと床にジーパンと共に落ちる。  脱がされた!!と思う一方でまた合わさる唇と舌の動きに翻弄されてしまった。  流されてる……のに、拒絶はしたくない不思議。 「よさそうだな?」 「……ムカつく」  ニヤリと笑われてそっぽを向く。 「っし!」 「はぁっ!?ちょっ!!」  楽しそうな声が聞こえたかと思うと体が持ち上がって焦った。  ベッドに降ろされてさすがに暴れようとすると、 「司馬!酔ってんだよ」  両手をベッドに押さえつけられてのしかかられる。 「は!?」 「俺たちは今、酔ってるし傷心で冷静じゃない」 「何言って……」  理解できないまままたキスをされてまともに考えられなくなった。  求められていると感じるキスに安心して気持ちよさで満たされる。  ーーーカチ。  その音さえ聞こえなければ。
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