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そんな姉を見てヌチはイライラしていた。姉より自分の方が2歳も若いのに、オレのところに来る男はしょぼいのばっか。
姉のナノハに言い寄ってくる男は、村の中でも力がある男ばかり。貢物も持ってきやがる。同じおっ母から生まれてもツラがいいだけで得をしている姉。オレは多分ブサイクな父親のタネだ。いつもヘラヘラ笑っている姉を見ているだけでムカついた。
ヌチは怠け者だった。村の共同作業の仕事は合わないと採取の方に周り、山の中でグータラしてるか、行きずりの男と寝たりしていた。何も持って帰らないと叱られるので、三日に一回は知り合いのジジイに頼んでどんぐりを枝ごともらっていた。そのジジイは、村の者ではなかった。1人で暮らしていると言っていた。
最初に1回だけジジイにヤらせてやった。ジジイの割に頑張った。そのジジイの名前はカケルといった。
ジジイは、何を考えてるんだか「オレと一緒に住まないか。」と度々言ってきた。
「考えとく。いつもありがとう。」ヌチはニッコリ笑って、相手にしていなかった。
あのムカつく姉の泣き叫ぶ顔が見たい。リョウを盗るのが1番効果的だが、リョウを落とすのはかなり難しい。リョウも姉さんに惚れている……なんだ。簡単じゃないか。
次の日、ヌチは、採取作業と言って狩場に行った。村ごとの狩場は決まっている。リョウの村の狩場に行った。リョウを見つけると1人になるのを淡々と待っていた。
リョウが、1人で山に入っていくのを見てヌチは後を追いかけた。
「ねぇ。ナノハに会わせてあげるよ。」と声をかけた。振り向いたリョウは、やっぱり見栄えがいい。
「お前は?」
「ナノハの友達。ナノハはリョウに会いたいって泣いてるよ。」
「本当か?」
「本当だよ。2人を会わせる手引きをするからさ、お願いだからオレとヤってよ。オレもリョウにシテもらいたい。褒美はソレでいいからさ。」
リョウは、ヌチの服の下を捲って立ったまま急いでコトに及んだ。こんなのは挨拶だという認識しかリョウにもなかった。
5分も経たず終わるとヌチが言った。
「明日の昼、そっちの村に行く川の土手で待っていてよ。あの犬の形をした大きな岩のところ。ナノハにもそこでって伝えるよ。」
リョウはヌチの手を握って何度も「ありがとう」とお礼を言った。
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