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リョウはずっとナノハを待っていた。ナノハの村の者が大勢リョウの村がある山の方へ走っていく。
そのうちの1人に「何があった?」と訊いた。
「ナノハが死んだ。崖から飛び降りた。」
それを聞いた時、リョウの心に大きな穴が開いた。
ナノハの村の者に話を聞いて回った。ほんの少しの時間でリョウは嵌められたのを確信した。
リョウとナノハを嵌めたのは、ナノハの妹、ヌチ。ナノハを殺したのは村の男達とムラオサ!
リョウは直ぐに自分の村に戻るとムラオサに「村を拡大する。隣の村の男を全部ぶっ殺す!女と子供は生かして此処に連れてくる!」と宣言した。
ムラオサは言った。
「人殺しは認めておらん。だが、若い者が血気盛んなのもわかる。見て見ないふりをする。根こそぎもってこい!」
リョウは弓使いの全員を集めると「隣の村をぶっ潰す!そうすれば狩場も2倍になる!女も2倍だ!男は全員ぶっ殺す!子供以外はな!」と宣言した。
女は多ければ多い方がいい。子が増えれば豊かになる。狩場が広がれば獲物もたくさん獲れる。
リョウの勢いにみんなが心を持っていかれた。リョウは、この瞬間に狩人のリーダーになった。
そこから先は、隣の村の男の殆どをリョウが弓で射殺した。何十人単位だ。一射一殺と言ってもいい殺し方だった。
村中で弓を射まくり、探しても探してもヌチは見つからなかった。
ムラオサは大抵ババア。ムラオサはリーダーではない。知恵袋の役だ。ヌチの村のムラオサもババアだった。泣いて命乞いをしたが、リョウは無視した。そもそも、「ナノハと女3人」という交渉条件を出した時から、このババアの命運は尽きているとリョウは考えていた。
リョウの村のムラオサは、あの時、あの条件を出してきた相手方から馬鹿にされたと受け取っていた。
だから、見て見ぬふりという「許可」を与えたのだ。
コイツは女だったけれど「主犯」なので一矢では殺さなかった。手を打ち抜き、目を打ち抜き、最後に心臓。5射。時間をかけて嬲り殺しにした。
村に帰ったら面白おかしくムラオサに話してやる。人を馬鹿にしたら自分に返ってくるんだよなって。
女達は概ね素直に従った。男は子作りの道具。仕事もサボる奴が多いから、なんの思い入れもないのは分かる。子供は別だ。男の子は殺さない。それは、それをしたら女は獣のように刃向かってくるからだ。
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