11、王の補佐官

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アオイは、4日かかって赤国に到着した。アオイは、前回の訪問時、素粒子を物体として認識できる目に切り替える方法を両親から知らされていたので、一度目を閉じて開いた。脳の違う部分を使う。「素粒子の目」のことを通常は「気の目」と呼ぶ。 アオイには、普通に真っ赤かの王宮が見えていた。 歩いている国民、公務員達は男女同じ制服。グレーの詰襟の学生服のようだ。それに赤い縁取り。まるで「宇宙戦艦ヤ○ト!」 高天原仕様のアオイは目立った。みんなジロジロ見ている。 「私は高天原の王配です。王に奏上奉りたいことがございます!」と大声で言うと前回の訪問時、飛行艇を操縦していたワタリが走ってきた。 「アオイ様、どうしたのですか?」 「父に会わせてくれ。父が多分、とんでもない事をした。」 セキは、王の執務室でタバコを吸っていた。電子タバコである。ちなみにIQO○のメンソールであった。 本当は葉巻を咥えたかった。カッコイイから。セキも変な美学に染まっていた。でも、神の国でも喫煙者が嫌われるのは人間界と同じで、妻エリから「喫煙所」で吸ってください!と毎日のように言われていた。 王が喫煙所でタバコを吸えるか!と言いたいのに、エリには言えない。 そこに息子がワタリとやってきた。長い髪を振り乱して馬の匂いをプンプンさせた息子が叫んだ! 「お父さん、ひょっとして、ひょっとして『赤子の下界落とし』やった?」 「ああ。やった。戻ってきてるよ。おい!若頭を呼んでこい!」とワタリに言った。 「はい!承知いたしました!」ワタリは部屋を出ると大声で「兄貴〜!」と叫んだ! アオイは呆れて父に言った。 「ここは公認組織でしょ。企業舎弟じゃないんだから、いい加減にしたら?」 「だって、あーくん。なんとなく強そうでいいと思わない?」 「思いません。あーくんって息子を呼ぶ組長は恥ずかしい。」 そこに男柱が入ってきた。誰が見てもイケメン。韓流系。メイクはしていない。そして武力が高そうな雰囲気を纏っていた。 「コイツが若頭こと筆頭補佐官のリョウだ。“武“という国の庶子だ。コイツは下界落としした。ちゃんと西暦になった頃、ここに辿り着いた。もう1柱やったんだけど、どこかに行っちゃった。自力でここまで来れないなら採用しない。 最初に採用したワタリ達は能力は高いけど武力0で不満だったから、庶子を虐げる国の王族の赤子を貰ってきた……っていうか買わされた。」 「どこかへ行っちゃった……って。どこの国の赤子なのですか?」 「爽国。頭がいいのが自慢で、王も王族も民草も嫌な奴揃いの爽だ。」 「ああ………。なんてことをしやがった!このクソオヤジが!」アオイが怒鳴った!
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