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青さんが私のことをギュウッと抱き締めた。
「俺以外の男となんで仲良く写真なんて撮ってんだよ・・・。
ネコの手ぇして、あんなに嬉しそうに笑って、なにが“友達が出来たよ”、だよ。
男と女が友達になんてなれるわけねーだろ。
男はチ○コで出来てる個体なんだぞ?」
青さんが私の胸の間でそう言って・・・
「お前、やっぱりネコすぎて・・・。
彼女のソレには女ってこえーなってチ○コが萎えただけだったけど、ノンノンのは“やっぱネコだな~~~っっっ他の男にスリスリしやがって!!!”って、なった。」
「・・・あの写真、そんな風に思ったんだ?」
私が笑うと、青さんは私のことを強く抱き締めた。
「ノンノンがさ、死んだんだよ・・・。」
「うん・・・私が拾った時にはもうダメそうだった・・・。
でも青さんに拾って貰えて、青さんに2年間沢山甘やかして貰えて、ノンノンは幸な人生だったと思う。」
青さんの頭を両手で優しく抱き締めた。
青さんとの大切な思い出を思い出しながら、抱き締めた。
「ノンノン・・・。」
青さんが私の胸に顔を埋め、私のことを強く強く抱き締めながらノンノンの名前を呼んだ。
「もう・・・可愛くて可愛くて・・・。
マジで、こんなの可愛すぎて・・・。」
私の胸の間で熱い吐息と一緒に青さんがそう囁いたかと思ったら・・・
「・・・・・・ゎっ」
また私のことをベッドに押し倒した。
凄く苦しそうな顔の青さんが。
凄く凄く苦しそうで・・・。
切ないような顔をしている青さんが・・・。
「ごめん、俺・・・俺さ、望が初めてノンノンになってくれたあの入学式の時・・・、あの時に俺・・・俺にとってはもう、ノンノンは望で・・・。」
苦しそうで、切なそうな顔の青さんが私の顔にゆっくりと顔を下ろしてきた。
「ノンノンが望に思えて、望がノンノンに思えて・・・なんか、無理だろうなと思って・・・。」
「ンッ・・・・」
私の唇に青さんが優しくキスをした。
「ノンノンがマ○コを持った望だと思うとマジで無理なのは分かるから、更に会えなくなった・・・。」
「ンッ・・・・」
「会うのがすげー怖くて。」
「ンッ・・・・」
「あいつからの久しぶりの連絡が、望のことを捨てるって話で・・・。
まだだろ・・・まだ早いだろ・・・まだ早すぎるだろ・・・。」
「青さん・・・。」
「俺が望のことを迎えに行くのは、もっともっと・・・じいさんになってからで・・・。
本家も分家も“秘書”も、そんな奴らなんて必要ないくらいあの財閥が強くなって、秘書じゃなくて“普通”の女に生まれ変わった望と“普通”になったあいつが結ばれてからで・・・。」
「・・・・・・青さん・・・」
「“何か”があって、望が捨てられた時だけなんだよ・・・・っっっ!!!」
流れてくる涙を拭うことなく青さんのことを見詰める。
一平さんと私の為に何をしようとしてくれていたかを私は知っていたけれど、青さんの口から直接その話を聞き、我慢することなく泣いた。
一平さんから捨てられた私のことを玄関まで迎えに来てくれなかった青さんを見詰めながら、泣いた。
「泣くなよ、ノンノン・・・。
俺が必ずあいつの所に帰してやるから・・・。」
「青さん・・・。」
「それで、“何か”があって捨てられた時は・・・その時は、望がアリなら・・・俺の嫁さんになってよ。」
青さんがそんな言葉を渡してくれた。
そんな気持ちを“私”にくれようとしてくれた。
「例え1年や2年後に死んだとしても、絶対に愛し抜いてやるから。
俺・・・俺はノンノンが・・・望が大好きなんだよ・・・。
世界で1番愛してる女は望なんだよ・・・。」
青さんが、“ノンノン”の向こう側に見えるであろう“私”にその気持ちをくれた。
「ありがとう・・・青さん・・・。」
お礼の言葉を伝えた後に私は泣きながら、笑いながら口を開いた。
「青さん、単純過ぎるよ・・・。
お兄ちゃんからの暗示と洗脳に影響されすぎだよ・・・。」
「俺のは暗示でも洗脳でもねーよ。」
「じゃあ、お兄ちゃんの駒になりすぎだよ。」
「俺は駒になんて全然なれてねーだろ。」
「お兄ちゃんは青さんのことをキレさせて、増田清掃から出ていくように動かした。
あの頃の増田清掃はまだお兄ちゃんが社長になれてなかったし、他の分家の人間が社長だったうえに他の秘書達からの監視の目もあった。」
「それは俺も気付いたうえで乗った。
増田財閥の傘下に入っていない清掃会社がどうしても必要だと俺も思ってたから。」
「それだけじゃないよね・・・?
一平さんと青さんがワンスターエージェントを立ち上げたのは、青さんにとってはそれだけが動機じゃないよね?」
聞いた私に青さんの瞳は大きく揺れた。
「一平さんの願いは増田財閥の繁栄と維持だよ、青さん。
秘書の私と結婚することじゃない。
一平さんから“何か”を聞いてしまったとしても、それは違うの。」
「・・・ちがわねーだろ。」
「違うんだよ、青さん。
小関の“家”の一平さんとお嬢様はそうやって育てられた。
増田財閥の生粋の、本物の分家のお坊ちゃんとお嬢様として育てられた。」
「そうだとしても、あいつは俺の友達だから・・・。
内部生と外部生でお互いに壁を作りまくってクソつまんねー高校になってたあの学校を、最高に楽しい場所に変えようとした俺のことをめちゃくちゃ支えてくれた奴だから。」
「うん、知ってます。」
「1番助けてくれた奴だから。」
「うん、毎日のようにその話も聞いていたから私も知ってます。」
「あいつにもチ○コついてるんだよ・・・。
俺が彼女とやった話の時は絶対にお前のことを見ないようにしてた。
俺がお前と戯れてる時も絶対にお前のことを見ないようにしてた。
それに気付いたのは高校も終わる頃だったけど、思い返すとあいつは望のことが女としても好きだった・・・女としても愛してた・・・。」
「うん・・・。」
「望の片想いなんかじゃなかった・・・。」
「うん・・・。」
「お前、知ってたんだな。」
「知らなかったけど、知っちゃった。」
「お前らのことは昔も今もこれからも理解出来る日は来ない、絶対に来ない。
でも俺は・・・俺は、あいつの友達だしお前の“ほぼ家族”だし、頑張らせろよ・・・。」
「も・・・大丈夫です・・・。
一平さんがワンスターエージェントを抜けた後も青さんが今まで頑張り続けてくれたその時間とその気持ちだけで、私達は大丈夫です・・・。」
必死に笑いながら、青さんに言う。
私のことを大好きだと、世界で1番愛してると言ってくれた青さんに。
「もう・・・終わりにしてください、青さん・・・。
私は絶対に“普通”の女にならない。
私はずっと秘書として生き抜く。
愛してる一平さんの幸せの為に生きていく。」
ノンノンである“私”のことがおちんちんよりも弱みである青さんに、言う。
「青さん、青さんの会社を増田財閥にください・・・。
それが私の幸せ・・・。
秘書としてこれからも生きていくことが私の幸せ・・・。
青さん、私のことを幸せにして・・・。」
そう言ってから、笑顔なんて作れずに大きく泣いた。
「それで・・・青さんも幸せになって・・・っっ。
ちゃんと・・・ちゃんと、本当に好きで、本当に愛した女の子と幸せになって・・・っっ。
青さんのタイプのキツい顔をした美人さんと、幸せに・・・・・・ンッ」
“幸せになってください”
その言葉は青さんの唇により最後まで言えなかった。
青さんの唇がゆっくりと私の顔から離れ、凄く凄く怒った顔の青さんが・・・
「ノンノン、うるせーよ。」
そう言って・・・
「ぁっ・・・・・!?」
私のおマ○コに、指先で触れた。
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