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【プロローグ】
いっそ死んでしまった方が楽なのではないかと思う程、私は私の人生に呆れていた。
こんな人生終わらせたい。
日々そう思う。
”生きる意味”ってなんなんだろう。
私にとってに生きる意味は好きな人である優希の存在と、お母さんの存在だ。
優希がいなければ、私はとっくに死んでいる。
死のう。そう決意しても、脳裏に優希の顔が過ぎり、踏みとどまってしまう。
もしかしたら、私にとって優希は足枷のような物なのかもしれない。
私の人生、微かな希望を追いかけるより、膨大な絶望から逃亡してしまう方がきっと、楽なのだろう。
私は日々”3人の兄”から暴利、性的虐待を受けている。
学校では独りぼっち。
虐められていた時期も勿論あった。
逃げた方が楽。
そんな事、とっくの昔から理解していた。
だけど、身体が動かないんだ。
あるマンションから飛び降りようと、作を乗り換えた時でさえ、脳裏に優希の顔が過ぎり、足枷のように私の身体を引き戻す。
その度に、私はこの世界に絶望する。
素直に死ぬことも出来ないこんな私は、何を糧に、何のために生きていけばいいの。
ベッドに横たわり、微かに点っている豆電球を眺めながら、そんなことを考えた。
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