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「綾香最近、優希とはどーなのよ?」
菜々美が、からかうような笑顔をこちらへ向け、私に問いかけてくる。
山田 優希。
私が好意を寄せている人。
私は優希の事がどうしようもないほど好きだ。
今では生きる理由。
出来ることなら、お付き合いしたいと考えているが、優希はクラスでも輝いていて、私のは対極の存在だ。
そんな人が、私と付き合ってくれるわけが無い。
そんな人が、私の事を可愛いとか思ってくれるはずがない。
そんな人が、私の事を気にかけてくれているわけが無い。
毎回のことだが、優希の事を思うと、少しネガティブな思考になってしまう。
「なんの進展も無いよ」
私が、少し暗い声で返事をしてしまったので、菜々美に
「綾香?大丈夫?声色悪いよ」
と少し心配をされてしまった。
私は自分で勝手に得意だと思い込んでいる”作り笑い”をいつも通り出し、菜々美に
「そんなことないよぉ〜」
と満面の笑みで答えた。
菜々美はそれで心配が解けたのか、
「よかったぁ」
と安堵の声を漏らす。
「あ、話がズレちゃったね」
ほんのり笑いながら、菜々美が話の中心を優希へと戻す。
「戻さなくていいよ〜」
と私が冗談っぽく揶揄い、菜々美は
「恋バナ好きなの」
と言いながら何故か私に抱きついてきた。
菜々美の良い香りと、おっぱいの感触が肌に伝わる。
心地が良かった。
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