第一章【誘い】

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綾香(あやか)最近、優希(ゆうき)とはどーなのよ?」 菜々美が、からかうような笑顔をこちらへ向け、私に問いかけてくる。 山田(やまだ) 優希。 私が好意を寄せている人。 私は優希の事がどうしようもないほど好きだ。 今では生きる理由。 出来ることなら、お付き合いしたいと考えているが、優希はクラスでも輝いていて、私のは対極の存在だ。 そんな人が、私と付き合ってくれるわけが無い。 そんな人が、私の事を可愛いとか思ってくれるはずがない。 そんな人が、私の事を気にかけてくれているわけが無い。 毎回のことだが、優希の事を思うと、少しネガティブな思考になってしまう。 「なんの進展も無いよ」 私が、少し暗い声で返事をしてしまったので、菜々美に 「綾香?大丈夫?声色悪いよ」 と少し心配をされてしまった。 私は自分で勝手に得意だと思い込んでいる”作り笑い”をいつも通り出し、菜々美に 「そんなことないよぉ〜」 と満面の笑みで答えた。 菜々美はそれで心配が解けたのか、 「よかったぁ」 と安堵(あんど)の声を漏らす。 「あ、話がズレちゃったね」 ほんのり笑いながら、菜々美が話の中心を優希へと戻す。 「戻さなくていいよ〜」 と私が冗談っぽく揶揄(からか)い、菜々美は 「恋バナ好きなの」 と言いながら何故か私に抱きついてきた。 菜々美の良い香りと、おっぱいの感触が肌に伝わる。 心地が良かった。
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