25人が本棚に入れています
本棚に追加
その後、三階の私室に移動した二人は、もつれ合うようにして寝室に転がり込み、口づけ合いながら互いの服を手探りで脱がせた。そしてそのまま、産まれたままの姿になって肌を重ね、狂おしい程に抱き合う。
半年振りに触れ合う肌は熱く、言葉で言い表せない程気持ちが良かった。欲望のまま、肌と肌を擦り付け合わせ、口内を掻き回すように唇を重ねる。
「っん……、は、はぁ」
唇を離し、見下ろした褐色の瞳は甘く潤んでおり、ライサンは自身が熱く滾るのを感じていた。でも、それはライサンだけではないようで……。ルークの下肢、その中心に軽く触れると、既に固く芯を通していた彼自身は。その先端から先走りの蜜液を流している状態だったのだ。
「ねえ、ルーク。この半年の間、あなたはどうしていたのですか?」
半年間。ドラゴンの末裔達と交わした約束を守り、一度も体を重ねなかった。その間、彼はどうしていたのだろうとライサンは思った。いくら性欲が薄いとはいえ、全くない訳ではないのだから。
「お、俺……、俺は……」
ルークは目を泳がせ、ライサンから顔を背ける。
「私はあなたの淫らな姿を思い出して自分を慰めていました。あなたもですか?」
口にするのも憚れるような、この半年間の己の性生活についてあっさりと暴露したライサンの言葉を聞いたルークは、顔を背けたまま、耳まで顔を真っ赤にする。そして、僅かに逡巡した後、小さく頷いた。
そう、ルークもこの半年間、誰の目もない所で、ライサンとの情事を思い出しながら自慰をしていたのだ。それも、何度も……。自分の性欲は薄いはずであったのに。
「ここも使いましたか?」
恥じらうルークが可愛くて、ライサンは心の中で舌舐めずりをしながら、彼の後腔に指を這わせる。
「つ、使ってない!」
ブンブンと首を振って答えるルークの言葉は事実であった。前を慰める事はあっても、後ろを使う事は一切しなかったのだ。
「こ……怖くて」
続いて紡がれた、蚊の鳴くような小さな声を聞いた瞬間、ゾクゾクとした加虐心が背筋を這い上がり、ライサンの理性は容易く切れてしまった。
逃げないように相手の腰に両腕を回して引き寄せ、顔を落としたライサンは、目の前の胸の赤い突起に口づけ、口を開くとむちゃくちゃにむしゃぶりつく。
「ん、あッ、あ、あ、あう……ッ」
「んッ」
そうして、両の突起を舐め回し、がぶりがぶりと噛み付いた後、そのまま唇で腹を辿り、鬱血の痕を散らしながら、白い太股に手をかけた。
「あッ」
一気に太股を広げられ、下肢をライサンの目前に晒したルークの瞳は動揺に揺れる。溢れ出していた先走りが股間を濡らしているのが、自分でもわかってしまっていたのだ。
「声を我慢しないと約束出来るなら、あなたのこれを口で可愛がってあげますよ」
「……ッ」
優しい聖者の顔で告げられた卑猥な要求。それを聞いたルークは泣きそうな顔をするが、ライサンはそれを撤回するつもりはさらさらなかった。
半年前、陰の残り香の影響で理性の飛んでしまっていたルークは可愛くて、とても素直に鳴いてくれたのに、その後交わした情交では今までのように頑なに唇を噛み締め、鳴き声を上げてくれるのは、与えられる快楽が己の許容量を越えた後のみだったのだ。
快楽を耐えようとする姿もなかなかクるものがあるし、泣きながら達く姿も可愛いのだが、出来ればあの時のような声を聞きたい。想いが通じ合った今ならば、絆されやすい性格をしているルークは、ライサンの我がままを聞いてくれる可能性が高かった。
案の定、羞恥と欲求の板挟みにあったルークであったが、最後には欲求が勝ったのか、小さく頷いて要求を受け入れた。
それを見届けたライサンは、彼の下肢に顔を落とし、太股の内側、柔らかな部分を執拗に舐め、鬱血の痕を幾つも残した後、支えなど必要ない程に勃ち上がっていたものを口内に迎え入れる。
「……ッ」
自身が生温かい湿りに包まれ、ルークは咄嗟に息を呑んだ。
先走りの溢れる先端が舌先に包まれ、口腔に先が全部含まれる。舌が蠢き、小さな孔を突かれ、ルークの背を痺れるような快感が走った。
「あ、あ! んッ、あ、あ……ッ、ぁあッ」
下肢から響く水音。じゅぼじゅぼという、耳を塞ぎたくなるような恥ずかしい音。
でも、気持ちいい。熱い口腔内の柔らかさ。ルークは背を反らし、自分の股間に埋まった柔らかな白髪を押さえながら、気づけば腰を振っていた。
「あ、あッ、ぁん、ぁあああああッ」
容赦のない誘引に耐えきれず、呆気なく精を吐き出すと、ライサンはそれを強く吸って飲み下す。喉をゴクリと鳴らす音が聞こえて、ルークの背筋に痺れが走った。
最初のコメントを投稿しよう!