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ドッペルゲンガー、という都市伝説がある。自分
そっくりな人間をめにすると、余りのショックに
亡くなってしまうというジンクスだ。
一方で、身を持って体現している筈の私はまだ
死んでいない。
一体、何が起きているのだろう。夢でも見ている
のだろうか。それとも、私になりすます為に
そっくりな仮面を着ける悪趣味な人間がこの世に居る?
根拠の無い考察に浸っている間にも、ライブは
進行している。威風堂々とした立ち居振る舞いで二曲のパフォーマンスを終えると、三曲目が最後になる事をセンターの彼女が伝えた。
観客の別れを惜しむ声に、アイドル達も手応えを
感じた様子を見せる。このまま無事にライブを
終え、何事も無く一日を終える。そうすれば今日の出来事は、記憶の彼方に葬りさられる。
最悪の場合、無かった事に出来る。
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