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質問の意味を理解した途端、私の脳裏に火花が
散る。
幼い頃、音楽番組で見掛けた女性アイドルグループに憧れた思い出が、走馬灯の様に駆け巡った。
スポットライトを浴び、歌って踊る彼女達の姿に
将来の自分を重ねた。
オーディションを受けたいと保護者に相談
したり、友人に夢を語った事もあったが「住む
世界が違う」「向いていない」と笑われたり一蹴
されるのが関の山だった。
ただ、反対される事に安心している自分も居た。
私も最初から、「こんな自分がなれる訳無い」と
何処か諦めていたからだ。
外見が秀でている訳でも、頭の回転が早い訳でも
無い。歌やダンスを習得している訳でも、人を
惹き付ける魅力を生まれ持っている訳でも無い。
ある物よりも、無いものを数えた方が多いくらいだ。
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